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夢の小径を散歩する  あちらこちら寄り道 道草    つれづれなるまま・・・・
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昨日の昼過ぎから、家族は夫の実家に出かけ、私は3匹の犬と猫1匹とともに、例年ど
おり一人家に残った。お盆ということもあって、草刈りや害獣駆除という名目で連なって
裏山に急ぐハンターの車の音もなく、久しぶりに静けさを取り戻したような時間。
(蝉の何重奏かだけがやかましげに鳴りひびいている)
普段よりもゆるく過ぎていく時間の中で、隣家から聞こえてくる先祖供養の鉦の音が、
ひときわ静けさを感じさせてくれるとともに、家と家、誰々所有の土地という仕切り・境界
線を越えて、本当は私たちが切れ目ない、ひとつながりの空間に在るのだということを
思い出させてくれた。
心地よく響いてくる鉦の音に、目を閉じ耳を傾けながら、普段はすっかり忘却の彼方に
追いやってしまっているまだ見ぬご先祖様へ手を合わせ、感謝の祈りを捧げた。

ちなみに、普段私はグレート・スピリットに英語でお祈りをしている。家族やご先祖様、
生きとし生けるもの、目に目えぬあまたのヒトビト、4つのエレメントなど、それこそありと
あらゆるものに祈りを捧げているが、そういう祈り方を学んだのは、たまたまアメリカに
いたときに参加したピース・ウォークで、インディアンの人たちの祈り方から学んだことが
きっかけになっている。彼らは部族の言葉で祈りを捧げるときもあるが、英語で祈るとき
もあり(それは私たち非インディアンを混じえて共に祈るというはからいもあったのかも知
れない)、ともかくピースウォーク、アメリカ・インディアン・ムーヴメントを通じて、日本人で
ありながら、祈るときには英語で祈るのが習慣になっている。(ただし、神社にお参りする
ときは、カメレオンのようで何なのですが、日本語。これまさに日本人的?)

昨日は、鉦の音の1/f効果のせいか、今の私につながる父母の父と母、そのまた先の父
と母・・・と途切れることなく脈々と続いてきた血縁の流れ、そして、たまたま何かのきっ
かけで住むことになったこの土地との縁、この土地の暮らしを築き、守りつづけてきた
人々のたゆみない流れ・・・それらにつながる縁が、自分の中にひたひたと流れ込んで
いるように感じられた。

お盆ということもあり、たまたま今読みかけのユング自伝の2の「塔」というところに、興味
深い記述があったので、長くなってしまうが、ここにその抜粋を紹介しようと思う。

 *この文章を書いている最中、8月15日12時19分、ほんのわずかの間だったが、
 きつねの嫁入り・・・晴れた空から雨粒が落ちてきた。What kind of message is this?
  不思議な気分。今日は、66年前、日本が正式に太平洋戦争に負けたことを知らされた
  日でもある。そのことと何か関係があったのだろうか???


ユング自伝 -思い出・夢・思想ー 2 より
 
われわれの心は、身体と同様に、すべてはすでに祖先たちに存在した個別的要素から
なり立っている。個人的な心における「新しさ」というのは、太古の構成要素の無限に
変化する再構成なのだ。したがって肉体も精神も、すぐれて歴史的性質をもち、新しい
もの、つまり今ここに生起するもののなかに、独自といえる個所はない。すなわち、
そこでは先祖の要素がただ部分的にあらわれているにすぎないだけである。現代精神
が装っているように、われわれは中世、古代、原始時代を、完全に卒業したわけでは
ない。それどころかわれわれは、進歩という奔流に身を投じたが、その進歩のわれわれ
を未来へと流し去る力が凶暴であればあるほど、われわれをますます根こそぎにしてし
まう。ひとたび過去が破られると、つねに過去は絶滅され前進運動を留めるものがなく
なってしまう。しかしまさにこの過去との連関の喪失、根絶が「文明の不快」を生ぜしめ、
またわれわれの進化論的な全背景の到達していない現在に生きるよりは、むしろ未来
に、黄金時代という仮空の約束のなかに生きるという混乱とせっかちさを引き起こすの
である。われわれは目新しいものへと性急にとびこみ、物足りなさ、満たされぬ思い、
いら立ちなどの感情のたかまりにかり立てられる。われわれはもはや所有しているもの
のなかに生きることはできず、約束に生き、今日の光の中に住まず、未来の暗闇に住
み、最後には未来が栄光をもたらしてくれると期待している。良きものはすべて何らかの
悪しきものによって購われるということ、たとえば、輝かしい科学的発見によってわれわ
れは恐るべき危険にさらされていることは言わずもがな、大なる自由という希望は国家
への隷属の増大によって帳消しされていることを、認めようとはしない。われわれの父
や祖父たちの求めたものを理解しなければ、それだけわれわれはますます自分自身
を理解しなくなる。かくして、われわれは個人としての根源と、自分を導く本能とを断ち
切ることに全力をあげて加担し、その結果ニーチェが「重力の精神」と呼んだものに
よってのみ支配される集団の一分子となるのである。



その2へつづく






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趣味:
自然観察
自己紹介:

夢や夢見に興味があります。自分の見た夢が誰かの夢とシンクロしていたり、現実と重なってきたり(予知的)・・・そんな測り知れない夢の世界について語り合ったり、もう少しだけ深めることができればと思っています。
専門的な視野、夢解釈などのコメント大歓迎です。
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