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9月14日 ホノルル 第1夜  アンクル・ダンのバースデー・パーティー

静かな住宅街にあるエイコのお母さんの家に到着。

まず彼女のお母さん、それからお母さんの姉妹(つまり叔母)2人、そしてその日の主

役、彼女の叔父のアンクル・ダンに紹介された。それからうがいと手洗いをして彼女の

おばあさん、ツルさんの部屋に案内された。ツルさんは去年のはじめに病気で倒れて、

もう助からないということで自宅に帰されたそうなのだが、それから奇跡的に回復して、

今もベッドで寝たきりではあるものの、意識はとてもハッキリしていてシャンとしている。

そして小さくて可愛らしい。ツルさんはカウアイ島で生まれ、その後6才から16才まで

沖縄で育ったらしい。それからまたハワイに戻って、以来99才の現在までずっとハワイ

で暮らしてきた。ずっと英語で生活をしてきたのに、病気になってからはよく日本語を使

うようになったと、後で友だちが解説してくれた。たぶん沖縄なまりなのだろう ・・・どこか

温かみのあるイントネーション。「あんたどこから来た?」単刀直入な質問でツルさんとの

会話が始まった。99才というご高齢にしては随分シッカリしてるなあ・・・(と言うと高齢

者の方には失礼かも知れないが)・・・という印象。ボケてない。そう思った。

具体的に何を話したのか覚えてないが、話の途中で不意に、「こないだね~、お父さん

に会うたよ。生きとったね~」とツルさん。 私は心の中で 「エッ?!99才のツルさんの

お父さんって、一体?それとも連れ合いという意味だろうか?」頭の中が一瞬混乱した。

そこに間髪を入れず友だちが、「お婆ちゃん、おじいちゃん死んだよ~」「死んだよ~」

繰り返した。ツルさんにはその言葉がどうも気に入らなかったらしい。気分を害した様

子。もしかしたら、本当にお父さんに会ったのかも知れないねと、後で私と友だちは話し

合ったが、ともかくも私の心には2人のやりとりがクッキリと焼き付けられた。

しばらくして食事の準備が整うと、ツルさんの部屋に全員が集まり、手をつないだ。

99才の母でもあるツルさんが80才になった息子を祝い、その日皆が集えたことに感謝

し、祈りを捧げた。安らぎと静けさが、小さな部屋を満たしていた。

食事も済んで、デザートを食べ終えると、そろそろ帰り支度。エイコの叔父叔母である、

ツルさんの息子・娘たちは交代でツルさんに付き添っていられるよう、近所に引っ越して

来ていた。なんて心優しい家族なのだろう・・・それにも感銘を受けた。遠い祖国を離れ、

日系人として差別や色々な困難を耐え忍んできた歴史の中で、家族が寄り添って力を

合わせて生きていくことが、今の日本人の私たちとは比べものにならないほど、心の支

え、拠りどころとなってきたのかも知れない。もしかしたら、現代の日本人が失いかけ

ている思いやりというものを、彼らは持っているのかも知れない。

私の友だち、エイコもそんな優しさをもっていた。彼女の下の息子、マーレーの部屋を

私のために空けてくれて、私はまるでホテルにでも泊まっているような優雅な気分で過

ごすことができた。ハワイ特有の貿易風が吹き抜ける部屋で、思いやりと優しさに包ま

れて、ホノルルでの第一夜は暮れていった。



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夢や夢見に興味があります。自分の見た夢が誰かの夢とシンクロしていたり、現実と重なってきたり(予知的)・・・そんな測り知れない夢の世界について語り合ったり、もう少しだけ深めることができればと思っています。
専門的な視野、夢解釈などのコメント大歓迎です。
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