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夢の小径を散歩する  あちらこちら寄り道 道草    つれづれなるまま・・・・
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第1章 プラント・スピリット・メディスン・ドリーム 2

最初に出会ったときの思い出にふけりながら、ふと顔を上げると、ホセがこちらにやって来るのが見えた。ホセはハンサムでがっしりとした中年の男だ。その日の彼は長ズボンに、半袖シャツ、カウボーイ・ハットといういでたちで、唯一インディアンらしく見えるものと言えば、目の醒めるような極彩色のウイチョル族のショルダー・バッグくらいのものだった。ホセは私を家に招いた。制作中の2枚の絵が置かれたテーブルに落ち着くと、私たちは数日中に彼が先導することになっている巡礼について話した。子供たちが家を出たり入ったりして、うろつき回っていた。一人の十代の少女が、家の外に立って窓枠にあごを乗せ、聞き耳をたてていた。ようやく、私は今回訪問した目的を切り出した。
 「ドン・ホセ、あることについて君のアドバイスを聞きたいんだけど」
 「もちろんだとも。話を続けて」
 「ドン・ホセ・リオスという名前の偉大なシャーマンでもある老人のこと知ってる?人は彼のことをマツワと呼んでるんだけど」
 「ああ、マツワなら私の親戚だ」
 「何年も前、彼に会ったときに助けてもらったことがあった。それから3年くらい前に、親父がガンで死にそうになったとき、親父がシャーマンに助けてもらいたいと言い出した。それで当時ラスブランカスに住んでいたマツワに会いに行ったんだ」
 ホセはうなづいた。
 「僕が彼の家に着いたとき、マツワも親父と同じくらい具合が悪くなっていた。ひどく衰弱していてベッドから出ることもできなかった。彼は苦痛に呻きながら、足が死にそうなくらい痛むと言っていた。日向の暑い所で寝ているにもかかわらず、悪寒で震えがきていて、毛布を掛けてやらなきゃならないほどだったんだ」
 ホセはそのときの苦痛はよく分かるというように、顔をしかめて見せた。
 「そのときふとマツワを助けられないだろうかという考えが浮かんで、彼を治療したんだ。すると、すぐに震えが止まり、毛布を取ってくれと言いだした。まだ起き上がれるほどの体力はなかったけど、足の痛みは消えていた。それを見ていた人たちが、僕に彼等のことも助けてもらえないだろうかと頼んできた。マツワの甥っ子の一人が、電車に轢かれて歩けなくなった自分の父親のところに僕を連れて行ったんだ。彼の父親に会いに行く途中、その少年が羽根を使うウイチョルの治療法を信じるかどうか、僕に尋ねてきた。僕は、ああ、もちろん信じてるとも、と答えた。『実際、君のおじさんが羽根を使って随分僕を助けてくれた。僕自身、ウイチョルの治療法を学びたいと思ってるんだ』と彼に話した」
 「少年は羽根を使うヒーリングがすごく上手な人がその村にいると教えてくれた。その男の人は5年の間、毎年近くの山頂に巡礼に行ってその技を学んだと言うんだ」
 「そこは『エル・ピカチョ』という名の山頂だ」と、ホセが言った。
 「じゃあ、君はそこを知っているんだね」私は言った。
 「もちろん」
 「アメリカに戻った後、僕は夢でエル・ピカチョを訪ね始めた。僕が夢で見たことを言うから、アドバイスをくれないか、ドン・ホセ」
 「何を見たんだ?」ホセは私に尋ねた。
 「山の頂上に2本の木が生えている平坦な場所がある。そこに1人のウイチョルの男がいる。彼は背が小さくて丸顔で、頬はポッチャリとして、いつも微笑んでいる。その小さな男は小さい鹿を連れていて、小さい鹿は踊りながら、ありとあらゆるおどけた仕草をするんだ。鹿と男は、僕が人々を治療するのを手伝ってくれると言ってくれた」
 「もう今までに何度もその場所を夢に見てきた。遠方に住んでいる人が、僕に治療をしてくれと頼んできたときもあった。他にどうしたらいいか分からないから、男と鹿にその仕事をやってくれと頼んだ。今までのところ結果は上々なんだ」
 「まさに君の言う通りだよ」ホセは言った。
 「どういう意味だい?」私は尋ねた。
 「君が見たその木は、そこの頂上に生えている風の木というんだ。背の小さい男もそこに住んでいる。彼が風の木の魔法の精なんだ。君がそこに行けば、ちょうど僕たちが話しているように、彼が君に話しかけてくる。だが、君は彼にスペイン語で話してくれと頼んだ方がいいな。ウイチョル語が分からないからね」
 「僕もこの小さなウイチョルの男に会ったことがある。神々を訪ねる巡礼の途中に、彼が道を横切る。僕は彼に通行許可を求めて、どこか他の場所に行く途中だと説明すると通らせてくれる。君の言うとおり、彼はとても背が低くて、頬はポッチャリしていて、唇が分厚い。よく若者の姿で現れるが、実際には彼は、とても、とても年老いている。エル・ピカチョには、その鹿も住んでいる。時々、小さい男の頭の上に、鹿の角が見えることがある。こういったことはすべて、風の木の魔法の力で、君も夢で見たものだ。風の木が人々に治療の仕方を教えてくれるし、音楽も教えてくれる。僕らの部族の中に世界的に有名なミュージシャンがいるけど、彼に音楽を教えたのも風の木なんだ」
 「君は風の木が頂上に生えていると言ったね」と、私は言った。「だけど、僕のビジョンの中には2本の木が生えていたんだ」
 「それは2本とも風の木だ」と、ホセは答えた。「1本は鹿の左の角、もう1本は右の角を表している。たくさんの人がエル・ピカチョに行って、風の木に捧げものをしている。実に素晴らしい。君はエル・ピカチョを夢に見た。だから、エル・ピカチョに行くことは君にとって本当に素晴らしいことになるだろう。君が見た小さい男は実際そこに住んでいる。君が信頼をもってそこに行き、彼から学ぶことができるように姿を現してくださいと頼めば、彼は人の姿で現れるだろう」
 「だが、まずエル・ピカチョの魔法に慣れ親しんでいて、捧げものをしたことのある人物に相談する必要があるだろう。僕自身は他の捧げものや巡礼で手いっぱいだし、滅多にそっちの方へは行かない。しかし、僕の村にその山のことにとても詳しい人物がいる。彼の名前はガダルペ・ゴンザレス・リオスと言って、ホセ・リオスとも親戚だ。非常にいい人物で、情報をけちったりはしない。明日村に行くつもりだから、彼に会ったらすぐに、今日話したことを忘れずに、君のことを話しておくよ。私たちが巡礼から戻った頃に祭りに来るといい。多分、そのときに3人で一緒に話ができるだろう。24日までには戻っているはずだ」
 「それは何曜日だい?」
 「木曜日だと思う」
 「金曜日!」窓辺にいた少女が言った。このときはじめて、彼女は私たちの会話に貢献したのだった。
 「まずいな。その頃はアメリカに戻ってるよ」私は言った。
 「心配しなくても大丈夫。君がこちらに戻ってきたときに、家に寄ればいい。そのときに一緒に私の村へ行こう。もう1人の風の木を夢見た男も、多分連れて行くことになると思う。彼はドイツ人だ」
「フランス人よ」少女が横から口をはさんだ。
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プロフィール
HN:
miriko
性別:
女性
職業:
カード・リーディング
趣味:
自然観察
自己紹介:

夢や夢見に興味があります。自分の見た夢が誰かの夢とシンクロしていたり、現実と重なってきたり(予知的)・・・そんな測り知れない夢の世界について語り合ったり、もう少しだけ深めることができればと思っています。
専門的な視野、夢解釈などのコメント大歓迎です。
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