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夢の小径を散歩する  あちらこちら寄り道 道草    つれづれなるまま・・・・
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プラント・スピリット・メディスンという本を紹介します。

この本はスワン・レイブン社から1995年に出版された本で著者はエリオット・コーワンという人。

植物のスピリットが魂の深い領域まで癒してくれるという、植物の癒しにまつわる不思議で驚きに満ちたエピソードに彩られたお話です。
エリオット・コーワンは1970年代の始めに自然療法に関心をもったことに端を発し、鍼治療を学び、やがて夢見を通した呪術的な治療法へとさらに探求を深め、プラント・スピリット・メディスンという植物の癒しの道にたどり着きました。これは植物のスピリットによる癒しの道を真摯に探求したエリオットという人物の個人的な物語でもあります。

本文は(私のファイルで)162ページあるので、少しずつ訳の見直しもしながら掲載していこうと思います。力不足で読みにくいところもあるかも知れませんが、是非お読みください。

(仮にプラント・スピリット・メディスンが出版されるようなことがあれば、さらに見直しが必要になると思います。これはあくまで私が個人的に試しに訳したもので、正式なものではないことを改めてお断りしておきます)

                                               Miriko   



          プラント・スピリット・メディスン
       
第1部   植物・スピリット・植物のメディスン

   第1章   プラント・スピリット・メディスン・ドリーム 1
 
私の友人ピーター・ゴーマンは、アマゾンのジャングルの小径を歩いていた。

彼はマッツェ・インディアンの友人が野生のイノシシ用のわなを仕掛けるのを見学した

後、村に戻る途中だった。友人のインディアンは散歩のついでに、道沿いに生えている

薬草をピーターに教えていたのだが、数分とたたないうちに、50種類以上もの薬草を

指して、その効能をジェスチャーでやってみせた。

村に戻るとピーターは、通訳を呼んでハンターの小屋にとって返し、歩いているときには

ノートを持っていなかったので、とても教えてもらったこと全部を覚えておくことができな

かったと説明した。はたしてハンターは、薬草の調合や処方の仕方をもう一度説明する

ほど親切だろうか?
 
シャーマンでもあるハンターはピーターに微笑みかけると、おもむろに笑い始めた。彼は

妻たちをはじめ子どもたちも全員を呼び集め大いに笑った。全員が気の済むまで笑う

と、彼はこう説明した。「あれはただ、薬草のいくつかをおまえに紹介したにすぎん。

おまえが実際に植物を使いたいのなら、その植物のスピリットがお前の夢にやって来な

ければならん。もし万が一、その植物のスピリットがおまえに調合の仕方や、それが何に

効くのか教えてくれたなら、お前はそれを使うことができる。さもなければ、そいつはおま

えのために働いてはくれん。いや、あれは傑作だった。おまえが言ったことを覚えておか

なければ!」彼はまた笑い出した。
 
 一方、コネティカットでは大手の製薬会社が、シャーマニック・スタディー研究所に話を

もちかけていた。製薬会社は薬用植物に関する情報を収集するために、アマゾンに住む

シャーマンと接触したがっていた。薬草のサンプルをとって、そこから活性分子を分離

し、研究所の中で製造しようと企てていたのだ。

私は製薬会社がアマゾンに行ったときの光景を、思い浮かべることができる。シャーマン

たちは、謝礼の金を集めながら、腹を抱えて笑っている。フィールドワーカーたちは、大

急ぎで標本を研究所に持ち帰る。熟練の技術者たちは新しい化合物の研究に何百万

ドルもの会社の金をつぎこみ、その結果は次から次へと失望に終わっていく。

シャーマンたちは信用をなくすことになるが、彼らは気に掛けない。彼らは依然変わりな

くジャングルに住み、何世紀にもわたって使ってきた薬草で治療にあたっているだろう。

アメリカの製薬会社は、その優秀な技術を使って特許の取得可能な新薬で儲けるという

夢にのぼせて、ジャングルに出かけていくが、誰もシャーマンたちに、その有効成分は

何なのかと尋ねることを思いつきもしない。仮に尋ねたとしても、彼らにはその答えが

お気に召さないだろう。
 
植物のメディスンの中の唯一の有効成分―それは友情なのだ。

植物のスピリットが夢見をしている友人、つまり医者への好意として患者を癒すのだ。

アマゾンの人々にとって、この真実は基本的なもので、4才の子供でも理解しているこ

とだ。それでマッツェ族のハンターでもあるシャーマンは子供たちを呼んで、私の友人

ピーターの言ったことで大笑いしたのだ。彼らには一人前の男がそれほど愚かだという

ことが、信じられなかったのだ!マッツェ族の人々や他の非ヨーロッパ系の民族の多く

は、人間も自然も共に知性とスピリットをもっているということを理解している。それ故、

ヒトと自然は同じ家族なのだ。あらゆる文化の中に、自然界のスピリットととりわけ生き

生きとした経験をもつ人々が存在している。こういった人々がシャーマンなのだ。

シャーマンは自然界のスピリットと友達になり、日常のできごとに助けを求める。

プラント・スピリット・メディスンとは、植物と関わるシャーマンの道のことだ。植物にスピ

リットがあり、そのスピリットが最も強力なメディスンであることを認識している。

スピリットは心と魂の最も深い領域を癒すことができる。
 
 こうしたことすべてについて、風変わりな点はひとつもない。アマゾンの話を聞いたから

といって、誤解しないで頂きたい。あなたがもし世界中で最も強力な癒しの植物に出会

いたいと望むなら、ただドアを開けて外に出てごらんなさい。あなたの周囲至るところに

そういう植物が育っている。あなたが私を信じないか、あるいはロマンチックな場所が

お好みなら、どこか他の場所に行って試したらいい。しかし、その場所に馴染んでしま

えば結果は同じこと。そこに生えている雑草と関わることになるのだ。

この自分が住んでいる土地に育つ植物の質に符号する、最近私の家の周辺で起きた

ことをお話ししよう。最初この話は主題とはなんら関係ないように思われるかも知れない

が、辛抱していただければ、やがて意味をなしてくるだろう。
 
 その日、私はホセ・ベニチェ・サンチェという名前の、あるウイチョル・インディアンを

訪ねて行った。ホセはあるサークルの中では、神秘家のアーティストとして有名で、彼自

身の部族の人々の間では、シャーマンとして知られている。彼は時々、メキシコのテピ近

くの村に住み、それ以外のときはプエルト・ヴァラルタというリゾートの街に住んでいる。

私はその街に彼を捜しに行った。街の最も貧しい地区の一つにある彼の家に近付いた

とき、私はその一年前、彼にはじめて出会ったときのことを思い出していた。この人物は

インディアンの規準からすれば、莫大な収入を得ている男だった。だが、私を家の中に

招いてくれたとき、実際に彼が所有していた財産と呼べそうな物は、扇風機唯一つだけ

だということは明らかだった。彼はメキシコ大統領に会うために、数時間のうちに発たな

ければならなかったので、その訪問はごく短いものだった。ホセは陽気にバス代を持っ

ていないことを白状した。ボロボロの半ズボンを見下ろしながら、彼は大統領に挨拶する

ためにはくズボンの一本も持っていないことも認めた。明らかに彼は、何故成功を収め

た人物がそれほど貧しいのかということについて、私が混乱しているのを感じ取ったの

だろう。というのは、次のような話をしてくれたからだ。
 
 私は子供の頃、私のじいさんを崇拝していた。じいさんは力のあるシャーマンだった。

私が分別のつく年頃になったと感じたある日、じいさんは話をしてくれた。「ホセ、人がも

つことのできる力には二つのタイプがある。一つのタイプは自分自身の個人的な理由の

ために使われる。もう一つは人のために使われる。おまえは一番目のタイプの力の道

か、二番目の道へと歩いて行くことができる。だが、このことはおまえに言っておこう。

二番目の道が幸福へと向かう道だ」じいさんはすぐれた賢者だったので、私はじいさん

の忠告を受け入れ、二番目の道に留まってきた。神が私に何かを授けて下さるときに

は、すぐにそれを人の役に立つように回すことにしているんだ。
 
ホセの存在は満足げに輝いていた。彼の祖父が、自分の話していたことの意味を知っ

ていたのは明らかだ。私はスーツケースの中を探ってズボンを一本見つけ、バス代を

添えて彼に差し出した。彼は心からの感謝とともに私の贈り物を受け取ったが、少しも

驚いた様子はなかった。それから彼は幸福へと向かう道に小さな一歩を踏み出した

私をあとに、大統領に会うため出発して行った。


 
 
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miriko
性別:
女性
職業:
カード・リーディング
趣味:
自然観察
自己紹介:

夢や夢見に興味があります。自分の見た夢が誰かの夢とシンクロしていたり、現実と重なってきたり(予知的)・・・そんな測り知れない夢の世界について語り合ったり、もう少しだけ深めることができればと思っています。
専門的な視野、夢解釈などのコメント大歓迎です。
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